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怖い。行きたくない。会いたくなんかない。そう思うけれど、アース王子はニコニコと私の手を握りしめて歩き出す。
周りのみんなも、アース王子を暖かな眼差しで見守っていた。周りには、騎士団に見える人や執事に見える人々もいた。
みんなが、あたしをじっと見つめている。怖い。怖い。怖いよ。
この、どこかもわからないところで、しゃがみ込んでる場合じゃないのは、いくらなんでもわかる。どうにかしなきゃ。でも。頼れるのはアース王子だけだから。
仕方がないよね。そう腹をくくって、あたしは怯える気持ちでアース王子の後を追いかけた。
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