1話 集合

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 あたしがボーっとしていると、アース王子が立ち止まる。大きな扉の前、だった。  「ぼくです。開けて下さい」  そうアース王子が言うと、扉がギイイイイィ、とイヤな音を立てて自動で開いていく。 「ひゃっ」  ビックリしながら、あたしはアース王子の服をつかむ。  そこには。  明らかに日本人の男の子と女の子が、一人ずつ座り込んでいた。  少し茶髪のハーフみたいな美少女と、活発そうな黒髪の、背の高い男の子。どちらも、あたしの知らない子どもだった。  正直ホッとしながら、あたしは静かに頭を下げる。  すると、ふたりも無言で頭を下げた。
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