深夜に真也飯。

＃１９２ 鶏のすき煮

　１玉買った白菜料理は、ロール白菜、ナムルと続いた。同じものを作るのも芸がないので、今夜は鶏のすき煮にした。
　作り方で特筆すべきことはない。鶏肉を軽く炒め、砂糖、料理酒、醤油、めんつゆ、水を加えて煮るだけだ。鶏肉と白菜のほかに入れたのは、厚揚げ、しいたけ、まいたけ、結びこんにゃく。
　具材が煮えて味が沁みたところで、皿に盛る。これで終わってもいいが、終わりにしたくない。
　鍋に残った煮汁の量を確認すると、あれを調理するのには少し少ない。俺は水を加えて、薄くなった分醤油を足した。再び火にかけて沸騰させたら、あれの出番。計量カップに割り入れたものを、静かに鍋に移す。
　そう。あれとは生卵。落とし卵を作ろうというわけだ。卵があるとごちそう感が増す。
　右手にお玉を持ち、黄身をつぶさないように気をつけて煮汁をかけて世話をする。時間にすると５分くらいだろうか。黄身が隠れるようになれば完成。俺はお玉で卵をすくって、さっき盛りつけた皿の中央にそっとのせた。