彩月蝶伝記

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 彼らは唄う。  その神をもう一度、眠らせるために。  永久に、平穏無事を祈るために。  神を鎮め眠らせる、子守唄を。    太陽の女神のおわす、葦原中津国(あしはらのなかつくに)と対になる常世の国より、彼らは望む。  我らが神、月の温情を。  ほんの一握りの、希望の光を。  我らは誓う。  かの神の慈悲の心に、報いることを──……。
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