彩月蝶伝記

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『消え()ぶ魂鎮めは白銀(しろがね)の  つづしり遊ばす天津歌(あまつうた)  金引(かなび)罪代(つみしろ)など僭上(せんじょう)なり  (いまし)()ぐは(あわ)月影(つきかげ)  数多(あまた)返したり避けらぬ別れに  汝の清亮(せいりょう)なる夢歌を__ 【訳】  死ぬほどに辛く思い、少しずつ歌うのは銀色の月がお詠みになる天界の歌である。  罪滅ぼしなどと人の心を試すのは贅沢である。  貴方に祈るのは、消えゆく月明かり。  何度も繰り返している避けらない別れに、貴方の清らかで澄んだ夢の歌を__』 彩月蝶伝記(さいげっちょうでんき)・序巻―はじまりの唄より―
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