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「何やってんだろ、私……」
私はかけていた洋楽を消してすぐさま車を発進させた。いつも見ている車窓が切なく見えるのは何故だろう? チカチカと光る信号が馬鹿な私を見てほくそ笑んでいるかのようで何だか嫌だった。
例え足に使われたっていい。あの寝顔を少しの時間でも独り占めできるんだったら。そう思ってしまう私はやっぱりとことん馬鹿だなと自分で自分を嘲笑いながらアクセルをぐっと踏み込んだ。
視界がどんどん歪んでいく。堪えようとすればするほど涙は止まってはくれない。慌てて私はコンビニの駐車場に車を停めた。
あぁ、これじゃまるで本当に水素みたいだ。
空気よりも軽く燃えやすい私に火をつけた松村さん。火をつけられた私は涙という水を作る。
そう、私は空気より軽い女だ。
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