夕立の手紙

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夕立の手紙

 窓から外を眺める。  外の星空は私を考え込ませる。  切なさを表に出してる私が、窓に映る。  あいつはどうしてるんだろう 「会いたいけどさ、迷惑だよね」  でも、好きな気持ちは止められない。  これは、星空が綺麗なあの夜に書いた。  私からあなたへの手紙 *** 「この歌詞良いじゃん、俺は好きだぜ」 「でもさ、これって女目線だろ? お前どーすんだよ!」 「何が?」 「お前、女子と付き合ったことないじゃん」 「マジか、てか男はあるのかよ」 「ねーよ! 女も男とも付き合ったことねーよ!」 「あのさ思ったんだけどさ、これはこれで良いけど星空ってのが違う気がする」 「じゃあ何が良いんだよ」 「んー例えばそうだな……」 「おい、外、雨降って来たぜ」 「雨か……夕立、夕立ってのはどう? 星空を夕立に変えるんだよ」 「夕立か……うん、悪くないな」 「星空って歌詞でありきたりな感じするもんな、俺もさんせー」 「じゃあ、あてて書き直してみ」  窓から外を眺める。  外の夕立は私を考え込ませる。  切なさを表に出してる私が、窓に映る。  あいつはどうしてるんだろう 「会いたいけどさ、迷惑だよね」  でも、好きな気持ちは止められない。  これは、夕立が綺麗なあの夜に書いた。  私からあなたへの手紙。 「夕立なのに夜は無いだろ、夜は」 「夕立は夜に降らないのか?」 「あ、じゃあ悪いな、俺先に返るわ!バイトだからよ」 「おう! まかない食い過ぎてまた(ふと)るなよ!」 「うるせ! じゃあなー!」 「また明日!」 「……っで、なんの話だっけ? ああ、そうだ! 夕立は夜には降らないでしょ」 「なんで夕立は夜に降っちゃ行けないんだよ?」 「なんでって、夕方に降る雨だから夕立じゃん」 「じゃあ夜を何に変えればいいんだ?」 「んーじゃあ夕立見に外行こうか」 「これが夕立だよ、まぁ雨は雨だ」 「よく降るな」 「…………」 「……なんか浮かんだ?」 「いや、お前も考えろよ」 「……じゃあ、こういうのは?」 *** これは、夕立に想いを乗せて書いた。 私からあなたへの手紙 *** 「うーん、悪くないけど夕立なのに、しとしと雨が降る感じがしないね」 「お前が書いたんだよ、てか、わがままばっかだな」 「わがままじゃないっての! お前に言われたくないよ、でも私はもうちょっと考えてみるよ」 私はお前……じゃなくて、あなたとずっと一緒にいたいよ。 そんな想いを密かに隠して。 夕立が降る校庭を眺めていた。 強がっても届かないなんて考えて、ネガティブにも程がある。 口調が悪くなるのも、いつも照れ隠し。 夕立にまかせてみた。 「じゃあ、これお前にあげる」 ほんの少し油断した、これは。 「あ、ありがとう……」 あなたがくれた、大切な手紙。
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