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「そういうことになるわね。このウワキ者……」
「イヤイヤイヤイヤ……それはあり得ないよな?現にこうやってオレはレイと付き合ってるわけだし」
「実は同じ時間軸にね、この前のお見合いを止めなかったあなたの世界線があるのよ。そっちのあなたは将来神宮寺家の婿養子になっているんです」
「へっ?!」
またマヌケ声が出た。
「でも今の世界線では神宮寺家の娘に手を出すことはダメですよ?」
「平凛は中学生だよ?手を出すなんてことあるはずが……」
「あの子は数年後、ものすごい美人になります。それは確定事項なのよ。そんな人から、『ダンナ様』って慕われて、心が動かないの?」
「いや、動かない……動かないと思う……動かないハズだ……動かなければいいが……」
「ブレまくってんじゃん……下心丸見えだわ……」
「ィ……イや、そんな事ないヨ?」
声が裏返っていた……。
「とにかく、この世界線のあなたは、神宮寺家の娘と交尾することを禁じます」
「わかったから……」
「お兄ちゃん、朝っぱらから何ブツブツ言ってんの?」
優菜が起きてきた。「あ、ごめん起こしたのか」
優菜はオレの布団の上に座って目をこすっている。
「悪いな、声が出ちゃったんだよ」
「もう……眠いのに……」
と、オレの布団に転がってしまった。
「今日だけどな、平凛と汐音ちゃんを連れて、紅葉狩りに行ってくるわ」
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