4.平凛デート

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「あっそ。行くのはいいけど、レイさんを裏切ったらダメよ?」 (クロと同じこと言ってやがる……) 「わかったわかった、いいからお前はまだ寝てろ」  オレは目が覚めてしまったから、ゲームでもしようと思っていた。しかし…… 「オイ妹よ、パジャマの前、はだけてオッパイ出てんぞ」 「ヒッ!……スケベ!」 さすがに今回は揉むのはやめておいた。未来の旦那様に悪いもんな……。 …………  神宮寺家前。相変わらず門がデカイな。インターホンを押すと、「すぐに出ますのでお待ちを」 ずっとカメラで見ていたのか?すぐに平凛が出た。 結局クロ達もついて来た。どうもオレの監視役ってことらしい。 大きな門の横にある、普通サイズのドアが開いた。 「お兄ちゃーん!」 汐音(しおん)が元気に飛び出てきて、オレに抱きついて来た。抱き上げて、 「汐音ちゃん、大きくなったな」 とオレが言うと、ぷぅっとふくれて、「わたし、太ってはないよ?」 と怒ってしまった。「あ、違う違う、太ったんじゃなくて、お姉ちゃんみたいに背が伸びたってことだよ?美人になってきたということさ」 「嬉しい!お兄ちゃん大好き!」 と言いながら、オレの首に顔を寄せて抱きつく。内心かわいいと思ったが、クロに悟られないよう自粛した。 「これ汐音、ダンナ様が困っているでしょう?離れなさい。ダンナ様は(わたくし)のものなのですよ?」 と言いながら、オレの背中側に抱き着いてきた。背中がぷにゅぷにゅしてるぜ……まいったな。 「さ、行こうか。荷物はこれで全部か?」 とランチボックス2つとピクニックシートを車に乗せた。 「さあて、どこ行こうか。紅葉スポットなら、隣町にもいい場所があるけど……オレの実家の近くだけどな」 「(わたくし)お母様にご挨拶する用意はできてないのですけれど……それにこんな格好ですし」 「イヤイヤ、オレの母親には会わなくていいからね?」 いつものグイグイくる平凛だった。神宮寺家の常識に合わせていたら、オレは13歳の平凛と結婚させられてしまう。
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