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「あっそ。行くのはいいけど、レイさんを裏切ったらダメよ?」
(クロと同じこと言ってやがる……)
「わかったわかった、いいからお前はまだ寝てろ」
オレは目が覚めてしまったから、ゲームでもしようと思っていた。しかし……
「オイ妹よ、パジャマの前、はだけてオッパイ出てんぞ」
「ヒッ!……スケベ!」
さすがに今回は揉むのはやめておいた。未来の旦那様に悪いもんな……。
…………
神宮寺家前。相変わらず門がデカイな。インターホンを押すと、「すぐに出ますのでお待ちを」
ずっとカメラで見ていたのか?すぐに平凛が出た。
結局クロ達もついて来た。どうもオレの監視役ってことらしい。
大きな門の横にある、普通サイズのドアが開いた。
「お兄ちゃーん!」
汐音が元気に飛び出てきて、オレに抱きついて来た。抱き上げて、
「汐音ちゃん、大きくなったな」
とオレが言うと、ぷぅっとふくれて、「わたし、太ってはないよ?」
と怒ってしまった。「あ、違う違う、太ったんじゃなくて、お姉ちゃんみたいに背が伸びたってことだよ?美人になってきたということさ」
「嬉しい!お兄ちゃん大好き!」
と言いながら、オレの首に顔を寄せて抱きつく。内心かわいいと思ったが、クロに悟られないよう自粛した。
「これ汐音、ダンナ様が困っているでしょう?離れなさい。ダンナ様は私のものなのですよ?」
と言いながら、オレの背中側に抱き着いてきた。背中がぷにゅぷにゅしてるぜ……まいったな。
「さ、行こうか。荷物はこれで全部か?」
とランチボックス2つとピクニックシートを車に乗せた。
「さあて、どこ行こうか。紅葉スポットなら、隣町にもいい場所があるけど……オレの実家の近くだけどな」
「私お母様にご挨拶する用意はできてないのですけれど……それにこんな格好ですし」
「イヤイヤ、オレの母親には会わなくていいからね?」
いつものグイグイくる平凛だった。神宮寺家の常識に合わせていたら、オレは13歳の平凛と結婚させられてしまう。
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