4.平凛デート

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「ありがとう」 とオレは言い、平凛の膝を借りた。幸せというのはこういうことだろうか……。  幸せをかみしめて、オレはウトウトしていたようだ。顔に日が差して眩しくて気づいた。時計を見たら、もう3時近くになっているじゃないか! 「なぜ起こさなかった?2時間以上もずっと正座してたのか?」 と平凛に問うと、「(わたくし)は華道とかもやってますから、これくらいは平気です」 「いや、そうじゃなくて……」 平凛にはたいしたことではないらしいし、これ以上言っても無駄なことはわかっていたから言わなかった。「ダンナ様、お願いがございます」 「ん?なんだ?」 「みんなで家族風呂というのに入ってみとうございます」 「へっ?!」 マヌケ声が出た。 「あそこに見える看板に、書いてあるのでございます。せっかく温泉とやらに来たので、ご一緒してくださいませ」 「い……いや、それはマズいだろ。水着とか持ってるのか?」 「そんな物、持ってるわけがありません。ダンナ様はいつも水着を着てお風呂に入るのですか?」 「いや、そうではなくてだな……」  今話してるのが平凛だと忘れていた。ここん()はトンでもなく非常識だった……。
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