4.平凛デート

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「では問題ないですね。さあ行きましょう」 2時間も正座をしていたとは思えない足取りで汐音の手を引きスタスタと歩いていく。クロ達はどうも自然を満喫しているみたいで気配はあるのだかが姿を現さなかった。  平凛は温泉の受付で家族風呂をオーダーし、汐音を連れさっさと歩いていく。オレはついていくのがやっとだ……。家族風呂だから当然脱衣所は一か所だ。入ると平凛は既に下着姿で、汐音を脱がせていた。オレはどうしようかと思っていた時、平凛はこちらを向き全裸となった。まさに、一糸まとわぬ美女だった。  平凛と汐音を先に入っておくように言ってからオレは脱いで腰にタオルを巻いた。さすがにいきなり裸は抵抗があった。 「おにぃ~ちゃ~ん!」 湯舟で汐音がごきげんだ。 「交尾しちゃだめだかんね!」 クロから念押しされた。 「するか!」 とオレは言い返したが、もしこれが平凛と二人だったらと思うとぞっとした。 「し……失礼しまぁ~す」 オレは変な声を掛けながら、洗い場に入って行った。 平凛達は湯舟のようだったから、オレは洗い場に座って体を洗い始めた。一通り洗い終わってシャワーで流していたら、いつの間にかすぐ後ろに平凛が立っていた。平凛はどこも隠しもせず立っている。「ダンナ様……」 「ど……ど……どしタァ?」
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