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4.平凛デート
(トゥルルルルル…………
「な……何だ?……こんな日曜の朝早くに」
時計を見るとまだ朝5時だった。ん?平凛じゃないか。何かあったのかな。
「ハイ、岡野です」
「あ、ダンナ様。おはようございます」
「ああ、おはよう。どした?こんな朝早く?」
「今日はお休みでございますか?」
「ん、あ、あぁ、休みだよ。何かあったのか?」
「実は、私と汐音を遊びに連れて行って欲しいのです。連れて行って下さいませ」
「きょ、今日か?」
「はい♡今日でございます。お弁当は当家のシェフに作ってもらっておりますので……」
「ま、まぁそれなら仕方ないな……どこに行きたいんだ?」
「私、紅葉狩りに行ってみとうございます。ぜひともお連れ下さいませ」
「わかったよ。何時に迎えに行けばいい?」
「すぐにでも」
「へっ?!」
朝からマヌケな声が出た。「すぐには無理だから、せめて7時にしよう。7時に迎えに行くから」
「承知いたしました」
電話を切った後、先ほどまでのリアルな夢を思い返してみた。「リアルだったよなぁ……」
「何が?」
クロが起きていた。
「いやな、お前たちがここに来たいきさつを夢で見たんだよ。オレの子孫の岡野千世という女が、世界線を越えて神宮寺アリサって女にお前たちを託してな、それを100年後の岡野蒼に送ったって夢を見たんだ」
「あれー?」
「どした、クロ」
「それ正夢だわよ?」
「え?!マジか!」
「間違いないわよ?名前も合ってるし、状況もそのとおりよ」
「ちょ……ちょっと待て、それだとオレは平凛ともナニしちゃったのかよ?」
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