風船遊び

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それまでは、 たくさんの風船を膨らませた。 誰にも何も言われず、 自分の意思と力で膨らませた。 でも、その途中嵐に遭った…… 嵐の跡は快晴に、 その中心は土砂降りに。 今迄溜めた風船は、 嵐が連れ去った跡だけ残り。 膨らませたい風船はもう無い、 ぼくの意思と力も連れ去られたから。 何も無くなったぼくは、 今前しか向いていない。 それまでは、 後ろ向きに歩いていた。 だからもう、 風船は要らないのかもしれないな。 しばらくの間、 水風船で遊んでみるよ。 今度は、 たくさん溜まった心の雨を。 風船に詰め込んで、 空高くとばして地面で割るんだ。 あと何年か、 その暮らしは止めないだろうね。 ぼくはまだ、 膨らませた風船に絡んでるから。 まだ宙に浮いてるんだ。 誰かにこの風船を、 全て破られる日までは…… でも、 水風船は楽しいよ?
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