いずこへ

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草原の夜は昼だった。そう言い切れるほど、夜空には、光輝く異様な巨大な満月が掛かっていた😠その巨大な満月🌕️を背負うように、草原の果てから、夜露に靴を濡らし、黙々と歩いてくる、ひとつの影があった。それは、一人の、少女であった。月光が斜めに少女の顔を照らし出した。少女の顔は、エクソシスト、で悪魔に憑依された、リンダブレアのような、醜い、狂気に満ちた表情で、キョロキョロと辺りをうかがうのだった。彼女は右手に、出刃包丁を持っている。草原に誰も見当たらないのを、確認すると、少女は、月に向かって、月を、指さすと、包丁を持ったまま、振り上げ、腹に思い切り、包丁を差し入れた。何度も何度も、自分の腹に、刺した。それでも、少女は死ななかった。次に、少女は、自らの、頸をかっ切った。血が、椿三十郎、のラストシーンのように飛び散り、少女は、仰向けに倒れた。気味悪い少女の表情には、悪魔のような微笑が、浮かんでいた。倒れた少女の体から、キョロキョロと、体を起こす、もう一人の少女があった。醜い、狂気の、少女の、霊魂である、、、、、、殺す殺す、殺してやる!、、、、、、少女は、出刃包丁を両手で握ると、フワッ、と、やさあしく浮き上がって、ドアーズの、ジム.モリスンのように月に向かって、泳いでいった。そして、月に対峙した少女は、満月の心臓を出刃で、一刺しした。月は、苦悶の表情を浮かべ、胸からは、だらだら、だらだら、黄色い血が、流れ、左右に、ゆさっ、ゆさっ、と、三回ほど揺れると、地上の、草原に、ゆっくり落下した。少女は呟いた、、、、、、私は、私は、美しいものを、総て、殺戮し、殲滅させる、、、我が力を見くびるでないぞ、天使ども❗️、、、、、、少女は、ゆっくりと、草原に降りて行った。満月は、ぼうっ、と、何度か光ったり、そして光を喪ったりしたが、完全に意識を喪うと、粉々に砕け散り、夜風にのって、静かに流れ散っていった。少女は、草原に、しゃがみこみ、ハアハアと息を荒げながら、包丁をしっかり握り、今、満月を殺った興奮に包まれつつ、立ち上がった。満月を喪った草原は暗かった、、、、、、ここにいるのは、私一人だ、、、、、、少女は、急に、寂しくなり、ぶるるっと身体を震わせた。すると、足元に穴が開き、少女は、あっという間に、穴に落ちた。底闇で、少女は辺りを手でさぐったものだ。暗闇があるばかりだったが、空を仰ぐと、かすかに、針の穴のようなともしびがあるように、少女にも感じられた、、、、、、############、、、、、、 それから、十年後の事である。少女の落ちた穴に光が差したのは。🤩十年間の暗闇。少女は死ななかった。闘って闘って、戦いぬいた。何度ゲシュタルト崩壊を😭起こしかけたか、判然としない。苦しみの底で、何度髪をかきむしり、挙げ句、自らの肉体を傷つけたことか、、、、、、はじめて、彼女は、霊的な、まったき死に向かったのだった。ここに、ミッションを与えたのはお釈迦様であった。頃合いを見計らったのであろう、お釈迦様は、金の縄梯子を、サッ、と、穴に落とした。少女は、天から、金色の、キラキラ✨💍✨したものが、降りてくるのを確かめると、躊躇いなく、昇っていった。登ってゆくうちに、何だか、体の節々に、違和感を抱くようになった。それでも、再び地の底に墜ちるのは、御免であったから、懸命に梯子を登った。🤩そして、とうとう昇りきって、地上に現れた。少女をお釈迦様は、笑顔で、温かく🎵迎えた、、、、、、カミーラ###それが、少女の名前であった、、、、、、よ、この草原の地で、いっそうの罪を償うために、そなたは、まだまだ、修行が必要である、、、、、、そう言って、大きな丸い鏡をカミーラの前に置いた。そこに映っていたのは、実に、蟾蜍であった、、、、、、此れが、おまえの今の、魂の、真の姿だ、この、大馬鹿者❗️❗️、、、、、、お釈迦様は、そう一喝すると、立ち上がり、カミーラに背を😭向け、歩きだした、、、、、、カミーラよ、おまえは、蟾蜍になったが、命はある。🤩蟾蜍の交換ならば、きくかも知れない、しかし、お月様はもう、永遠に夜空に輝く❤️ことはないのた、、己れの罪の深さを😭思い知るがよい、、、、、、其のとき、現れた、異様な、大きな猫が、蟾蜍になったカミーラを、ガッ、と、咥えて、何処かに去って行った。カミーラは、猫😺の餌食となった、、、其のとき、どっ、と、風が吹いてきて、草原を渡り、血のように真っ赤な夕日は、遥か彼方の、地平線に、身を隠した。お釈迦様の姿も見えなかった。ただ、空の夕焼け🌇雲は、蓮の形をしながら、綺麗に空に、漂った。やがて、雨☔️がしとしと、降ってきた。ふざけるように。それは、いったい、誰の、冗談めいた涙なのか、誰にも、解らなかった。
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