2人が本棚に入れています
本棚に追加
「オフ」
それが昨日の話。
「・・・今 何時・・・」
嫌味なくらい鮮明な夢のせいで、目覚めは重い。傍に転がるスマートフォンの電源を入れると、すでに9時を回っていた。これが仕事のある日なら、森川さんからの着信履歴で画面が埋まっていることだろう。
『オリコンランキング 「Poppy」シングル部門一位!』
『ついに二人の関係に変化がっ!?ドラマ「サイドB」あらすじ&見逃し配信』
『結婚したい芸能人ランキング 上位はあの人気アイドル・・・』
「・・・・・・」
頼んでもいない通知がポンポンと目をかすめる。
スマートフォンを投げ出すと、私は蒸し暑い空気を押しのけ、寝たままググッと背を伸ばす。下着がじっとりと胸にへばりついて、不快だ。
「昨日・・・帰ってすぐ寝たんだっけ・・・」
明日は休みだし いいかっ・・・と、鉛で固まったような体ごとベッドに投げ出したところから記憶がない。
「・・・シャワー浴びよ」
私はむっくりと起き上がり、薄暗い部屋のフローリングを歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!