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私メリーさん。
ホラー小説とかで良く出てくる、おっかない子。
だんだん、被害者に近づいて行って「今、あなたの後ろにいるの」ってやった後に、人を脅かすのがお仕事。
これまでに百人くらい脅かしてきたわ。
大人も子供も、老人もね。
みんなみんな、ほんとうに滑稽なくらい驚いてくれたわ。
だんだん近づいていく私に取り乱していく人達。
泣き叫んで、恐怖で気絶したりんなんかしちゃって。
その様子ったらおかしくてたまらないの。
でも、こういうお仕事してるとたまーに、変な人がいるのよね。
「私、メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの」
「はぁはぁ、メリーたんが俺の部屋の前にいるんだって。うひょぉぉぉう!」
こういうのとか。
ちょっと個性的すぎるから、私が真後ろに立ってもまったく驚かない。達成感がないのよね。
だから、もうぞんざいに「私、メリー(略)後ろにいるわ。じゃあね」さっさと終わらせるに限る。
職務怠慢だって?
私が所属している怪奇現象クラブにはノルマってものがあるのよ。
一か月の間に、脅かさなきゃいけない人間の数が決まってるんだから、望みがない人間にわずらわされている暇はないのっ。
でも、まだ今日のはマシな方よ。
ごくごくごく、たまーにいるのよね。
関わっちゃいけないガチな人が。
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