メリーさんの怪奇事情 デスゲームに仕事の邪魔をされる

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 ぜいぜい息を切らしながら、メリーさんの特殊能力を発動。  一瞬で三メートル移動する力だ。間に障害物があってもすり抜けることができる。  その力を駆使して黒塗りの車を追いかけた。  すると、どこかの施設の中に到着。  そこには、攫われてきたらしき人間達が大勢集められていた。  えっ、何ここ!  こんなに人がいたら脅かせないじゃない。  すぐ後ろにいるのよ、なんてやっても、「うん、知ってた」くらいのリアクションしか返ってこないわよ! こんなに人がいたら!  で、どうしようかなって思いながらうろうろしていたら、上に設置されていたスピーカーから放送が。  スピーカーからは「実は諸君は、金持ちどもの退屈しのぎに攫われてきたのだ。これから命をかけて、デスゲームをしてもらう」とか長々と説明が始まった。  たまに、「そんな事つきあってられるか!」みたいな声があがって、集められてきた人たちの誰かが反抗するんだけど、どこかから発射された弾丸で眉間を打ち抜かれてあっさり死亡。  集められていた人達は「えっ?」みたいな顔した後「嘘っ」という感じになって、それでパニックに陥った。  ぎゃふんっ。  ちょっと誰よ私にぶつかったやつ。    私メリーさんだけど、おどかすくらいと、瞬間移動するくらいしかできないから。耐久力ないのよ!  どうやらあの放送で、マジもののデスゲームが始まってしまったらしい。  デスゲームの道具が色々と運び込まれてくる。  電気椅子とか、鞭とか。  これから、ここにいる人達は、互いに協力しつつも、騙しあいながら、命をかけてゲームを行っていくのだろう。  時に友情を築き、時にその友情が壊れ、たまに愛が育まれちゃったりしながら。  なーんて、やってられるわけないでしょっぉぉぉ!
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