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「はて、まあ。分かりかねまずなー」 「分からないの?」 「うぶ。登っで確がめてもじたらあ、生が終わってしもうもうもじれまぜんぬう」  舌長き淤美豆座衛門が、敢えて複雑に口腔を動かし、頓狂な発話をしている。 「へぇー。ところで淤美豆座衛門。その話し方、どうにかできないの?」 「せんまぜん、ひめさま。オテェの話がたは、変えるごとうができなんてぇ」 「なんで?」 「ごれは、人ならさる者に憑依されんれんようにずる方法だしぇえ。オゥデはひめせまと違っで高い身分じゃないけいけい。こうでもてんと簡単に憑依ざれてしまううじぇんけー」  淤美豆座衛門の言葉は不規則に変化した。今も一人称が「オテェ」から「オゥデ」に変わった。
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