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本当に残念なことではあるが、此処は男子校。
いや、、待てよ?どこもかしこも男子校しかないんだった、、、
ゴホンッ。
まあ、つまり高校生というのは、学校生活に青春というものオプションが必ず付いてくる。
その中の代表格がそう。
「好きです!!先輩」
恋愛である。
悲しきかな、かなりこの世界に染まってしまった僕は、男が男に告白だなんて見慣れた景色でしかない。かくいう僕も、されてきた側の人間だ。胸を張って言えないのが辛くて堪らない
「ごめんな、お前とは付き合えない」
「何でですか、付き合ってる人がいるんですか。こんなにも僕は先輩が好きなのに」
いや、めんどくさいね、この子。
「そうなんだよ。だからごめんね」
「う、うわぁーんっ、先輩のバカァーーーー!!!!」ダッ、
「うっっわ、気持ち悪」
とまあ、此処までが僕が聞いていた内容である。
いや、最後。だいぶヒドい、、
校舎裏の陰で、呆れた顔をしてチュッパチャプスを舐める僕。
アスファルトの上に座り込みながら、いつものように耳にイヤホンを嵌めた。
誰も気づかないような、花壇の見える校舎の隙間。
そこそこ気に入っている曲を聴きながら、ぼーっとするのが、この場所でのルーティン。
告白だろうが、制裁だろうが、今の僕にとっちゃどうでもいい。この場所を退く理由なんかにはならない。多分、俺だったら迷わず助けるんだろうなーって思うけど、生憎生まれ変わって、随分と冷めた性格になってしまったらしい。
誰にも取り繕う必要のないこの場所は天国だとつくづく思う。
それにしても、さっきの声。
なんか、知っている気がしなくもない、、?
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