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リョウがシャワーに入り、キョウは食事までの間少し寝ると言って、自室に籠もってしまった。
「あの、ソウさん」
光輝は冷たいお茶を出しながら、思い切って聞いてみた。
「ん?なぁに?」
ソウは、テレビのリモコンを触ってチャンネルを変えている。
「ソウさんも『moon』のファンなんですか?」
「えっ!?なんで?」
ソウは驚いて光輝の顔を見た。
「あ!ごめんなさい!たまたま掃除するために部屋に入ったら、イラストが置いてあったもので!
俺も漫画描いてて『moon』は俺の一番の推し作家さんで。
同人誌は全部持ってまして、それで……」
光輝が一気に話すのを、ソウは黙って聞いてくれていた。
「その『moon』ってのソウのことだよ」
いつの間にかシャワーから出てきたリョウが背中越しに言った。
「え?は?」
光輝は、驚いて二人の顔を見た。
「そうなんだよ、内緒で描いてるの」
ソウは、ニコッと笑った。
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