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自宅についてシャワーを浴びている最中に愛海がやってきた。
「美愛~来たよ~」
「ちょっ水が跳ねちゃう、閉めてよ」
無遠慮にいきなり浴室ドアを開けられ、びっくりしたせいで少し語気が強くなってしまい少しの罪悪感を覚えた。
「汗かいちゃったから、私も入っちゃおっ」
愛海は素早くワンピースを脱ぎ捨てると子供のような笑顔で浴室に入ってくる。
「えへへ、かけてかけて~」
「もう」
私はあきれ顔をしながらも、下を向きシャワー待ちをする愛海にお湯をかけ髪を洗い、そのまま体の汗を洗い流す。
「全くも~、自分で洗いなよ」
「えへへ、洗ってもらった方が気持ち良いんだもん」
同い年の愛海だったが、こういった幼さが妙にい愛おしく感じてしまう。
平均的な身長の私より少し小柄で、肩甲骨まで伸ばした黒髪。甘えるように垂れた目じりとフェミニンな雰囲気は、ギスギスしたオーラを振りまく私とは正反対だった。
愛海は私の作品のファンが主催したオフ会の参加者の一人で、しつこく懇願され嫌々出席した挙句、主役に祭り上げられて居心地の悪さに辟易としていた私の気持ちを察してくれ、さりげなく周りとの距離感を調節してくれたのだった。
それがきっかけで直接メッセージをやり取りする中になり、同い年で名前の語感が似ていたこともあって、ますます距離は縮まり合鍵を渡すまでの仲になっていた。
シャンプーの泡を洗い流す際にギュッと目を瞑る愛海をみて、私は堪えきれなくなってしまった。
「愛海」
小さく名前を呼び、小柄ながら女性らしいラインの体を思い切り抱きしめる。
「美愛ったら」
愛海もそれに応え、貧相に痩せた私の腰に手を回し、水面を跳ねるようなキスを何度か繰り返し、お互いに淫を込めた視線を絡め合う。
すぐに浴室を出ると乱雑に体を拭きそのままベッドに向かった。
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