5 側室教育始めました。

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5ー4 謝罪 「急も何も、ここは、俺の部屋だろうが」 俺は、カレイラに、もう一度訊ねた。 「なんの用なんだ?」 「・・と思って」 カレイラがなんか小声でぼそぼそと言ったので、俺は、聞き取れなかった。 「なんだって?」 「お、お前に謝りたくって」 はい? 俺は、溜め息をついた。 「なんだよ?それ。今さら、何言ってんだよ?」 「何って・・・」 カレイラが涙ぐんでいく。 「だって・・」 カレイラは、ダムが崩壊するように号泣し始めた。 「お、王は・・お前にしか、きょうみをしめさないし・・ここにきて、もう、一年以上になるのに、まだ、一度も、王にだ、抱かれてないし・・私は・・私は・・」 鼻水と涙でぐちゃぐちゃになっているカレイラの顔を見て、俺は、ラウスに手を伸ばした。ラウスは、俺にハンカチを差し出した。俺は、そのハンカチでカレイラの顔を拭ってやった。 「ひっ・・ひっくっ・・」 「はい、ゆっくり、深呼吸して」 俺は、子供をあやすようにカレイラに接していた。 いや。 本当に、こいつ、まだ、幼いし。 王より若いな。 「お前、いくつだ?」 「・・13・・」 はい? 俺は、驚いていた。 マジかよ! 下手すりゃ親子ぐらい年が離れてるじゃないか! 俺は、カレイラの隣に腰かけると奴が落ち着くのを待ってから話しかけた。 「王がお前のところに来ないからって、俺にあんなことしたわけか?」 「うん・・」 カレイラは、頷いた。 「ごめん、なさい・・」 ガキが! 俺は、溜め息をついた。 13才、か。 俺は、その頃の自分を思い浮かべていた。 エドのことを愛して、エドのことしか見ていなかった頃の自分。 俺は、カレイラにきいた。 「王のことが好きなのか?」 「わからない・・」 カレイラは、うつ向いて答えた。 カレイラは、宰相の子息だ。 だから、俺は、余計な敵を作らないためにカレイラのしたことを黙っていた。 それは、イェイガーの入れ知恵だった。 『主があのことを公にすれば、宰相の恨みをかうことになるやもしれん』 それ故、カレイラは、表向きはなんの罰も受けてはいなかった。 まあ。 可愛がっていたペットを俺に奪われたんだし、事実上の制裁を受けていると言えるのかもしれんがな。
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