*開くな!!*

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 五人がそれぞれ違う辞書を開く。 「……これは『漢字』だ」  フミが言った。 「こっちはみんな『ラテン文字』だった」  レターが呟いた。 「これは『デーバナーガリー文字』ですね」  リピが報告した。  西の空が赤く染まる。助手は震える手で辞書を見せた。ある単語を指差す。 「先生……これ、誤訳じゃありませんよね……?」  教授は深呼吸をして、言った。 「間違いありません」  三人も辞書を覗き込み、真っ青になった。すかさずリピが尋ねる。 「助手さん。発掘隊が扉を開けるのはいつですか」 「今朝、遺跡の階段を登る途中ですれ違ったので――」 「今すぐ止めなくちゃ!」  レターが叫ぶ。助手が言った。 「誰か、私と北の沙漠へ行ってくれませんか」
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