シャンデリアでお待ちしています

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さて、足音が近づいてきましたから、私の話はこの辺りにしましょう。今日はこのホテルの新人ウェディングプランナーのかきちゃんこと柿原が、未来の新郎新婦様をこのホールにご案内する日なのです。 「こちらのホールは80名ほどがご着席いただけまして、部屋に柱もありませんので、どの位置に座られても高砂を良く見ることができます。 また、大きくあつらえた窓からは港も一望でき、演出等で部屋を暗くされたい場合のカーテンのご用意もあります。 床の絨毯は遠目からは無地のように見えますが、花と船の模様が織られています。」 かきちゃんが一生懸命ホール内を説明している声を聞きながら、私はお二人を眺めていました。 男性は紺色の半袖シャツに黒のジーンズをお召しで、ホール全体を見渡していました。女性は白のパフスリーブブラウスにチェックの青いフレアスカートをお召しで、絨毯の模様をじっくりとご覧でした。 私はその様子を見て、ここを気に入ってくれたなと直感しました。 男性と女性はそれぞれ確認したいことを終えると、タイミング良く目を合わされ、微笑み合われました。そのワンシーンから、私にはお二人がこちらで披露宴をされる未来がはっきりと見えたのです。 お二人は満足した様子で、かきちゃんとホールを出て行きました。私はお二人との再会の日まで、もっとシャンデリアを輝かせて待っていようと思いました。
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