Night Necro

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夢か現か・・・ これは、あたしが本当に体験した物語。 貴方だけにこっそりと教えてあげるね。 奇妙な、そしてほんの少し悲しい物語。 そう、これはいつものこと。 真っ暗闇の中、あたしはただ一人佇んでいる。 あたしはここがどこなのか、何でここにいるのか全然分からない。 するとね。 理緒・・・理緒・・・ どこからかあたしを呼ぶ声が聞こえる。 行かなきゃと思って歩を進めようとする。 暗闇の下はなんか感覚的にもやがかってるみたい。 ここ、いつもとても歩きにくいんだよね。 暗闇を抜けるようとすると、まばゆい光が現れる。 その光の先には3人の影がある。 逆光でほとんど姿がどんななのかはわからないのだけれど、何故だかこれは・・・だという確信がいつもある。 だから、先に進みたいと思うのだけれど。 ここで、いつもその前に立ちふさがる誰かがいる。 逆光で、誰だかわからない。 見目形はスーツ姿ぽいんだけど、そんな知り合い学校の先生以外にいないし。 というかそもそも学校の先生はあたしが知ってる限りはみんなオジサンだもの。 その人はなんとなく、幼い感じの声だったから。 今まであったことのない人。 その人はいつもあたしに語りかける。 『ここから先は行っちゃだめだ』って。 「なぜ?」と聞いてもいつもこう帰ってくる。 『キミが二度と戻れなくなってしまうからだよ』って。 それでも構わずに、無理矢理進もうとするとすぐに足元が崩れていく。まるでスポンジのようによ。 「どうして、どうして行かせてくれないのよ!! 二度と戻れなくなったっていいの!行かせてお願い!!お願い!!」 お願い・・・!!
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