2人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなたわいもない会話をしていると、リビングへと到着した。
お屋敷にちょうどフィットした大きなテーブルの上にはあたしの分の紅茶。
床下の上に置かれたお皿には並々としたミルク。これはワンちゃんの分。
そして、ツクモさんのであろうジュース。うん、そうジュース。
グラスに入ってるからジュースなはず・・・なんだけど。
色が、色が・・・いわゆる真っ赤ってやつ。
あっちなみに人参ジュースって色じゃなくて、ほんと、あの・・・血の色的なまっかっかね。
「ありがとうユメミ!今日もいい感じだね!」
ツクモさんは明るい調子で、ユメミさんに尋ねていた。
「ええ、とてもいいものを選んで取りましたからv安心して飲んでくださいね。皆さんもほら、体からあっためないと・・・」
ユメミさんがそう言って、キッチンの方角から出てきた。
まさか・・・ヤバイ考えが頭の中に浮かぶ。
噂通りのお化け屋敷かもしれないという考えが再び頭の中によぎってきた。
「ゆっゆっユメミ・・・さん・・・それ・・・」
悪い予感的中だったようだ。
「あら、ごめんなさい慌てちゃって。さっきまでご主人の分の準備をしてて」
ユメミさんがあっけらかんと答える。
その手の中には、包丁・・・と真っ赤な跡。
まさか、まさか・・・まさか・・・
「ユメミ、今日のは一段と美味しいね!」
「ありがとうございます!一段とよりをかけて作ったものですから。嬉しいですわ。あっ、ワンちゃんもリオちゃんもどうかしら?美味しいかしら?あらら、リオちゃん、リオちゃーん!!」
もう、最悪。お誘いに乗るんじゃなかった。
やっぱり吸血鬼なんじゃない、ツクモさんって・・・というかお化け屋敷っていうか・・・
なんかいろんなことで頭が破裂して、あたしは頭を抱えて紅茶も飲まずに気絶してしまった。
はあ、なんて情けない。
あたしの名前を必死に叫ぶ、ユメミさんの声が遠くになっていくのが感じられた。
最初のコメントを投稿しよう!