2人が本棚に入れています
本棚に追加
重々しいツクモさんの館の今の扉が開く。
そこには、あのツクモさんが椅子に座って待っていた。
なんか、前来た時より堂々とした表情でこちらを見て身構えていた。
手にはあたしの見たことない黄金のステッキが握られている。
なんか、すっごく高級品のような気がするんですが。
ユメミさんといい、ツクモさんといいいったい何事なんだろうと思った。
あたしのそんな不安な気持ちを感じ取ったのかゴンベエがあたしにすり寄ってきた。
ゴンベエもこんな二人の様子を見て、不安・・・なんだろうか。
「ご主人、リオさんが来ましたよ」
お辞儀をして、ユメミさんがドアを閉めた。
これ、閉じ込められたってこと?
先日は考えもしなかった、ある種の不安が頭の中に過った。
なんか怖い言葉が頭の中を異常に駆け巡るんですが・・・ははは。
どうしよ。
そんなことをぐるぐると頭の中で考えているとぽんとあたしの頭をツクモさんがぽんと叩いた。叩いたっていうより撫でたって感じだけれど。
「はっはひぃぃ!!」
「ああ、ごめんね。大丈夫?」
「あっまあ・・・っていうか挨拶挨拶!おっお久しぶり・・・です・・・」
なんか、変な興奮状態になってしまっていて、敬語すら覚束ない。
なんていう情けない自分。
ツクモさんはというと、あたしに気が付いてあのにこやかな笑みに戻っていた。
「久しぶり。調子は・・・良くないみたいだね。」
「えっええ・・・ちょっと、不眠症で・・頭が・・・なんだか・・・」
ヤバイ、こんなところにまで来てまだ、頭がぐらぐらしてきちゃった。
というか倒れそう・・・
体のバランスが取れなくなって、あたしは倒れそうになり、その場に思わずへたりこんでしまった。
「ご主人!!」
「僕の登場にあっちも業を煮やしたらしいな・・・だけど!」
そういうとツクモさんは持っていた黄金のステッキをあたしにかざした。
TVの映画に出てくるように、ステッキが閃光を放ち、あたしの足元にはなんか魔法陣・・・みたいなものが浮かんだ。
元気だったら、この状態にいくらでもツッコミを入れたかったんだけど、それ以上に意識が・・・途切れそうで・・・
「思いのほか、強大だったみたいだね・・・でもその方が、やりがいが・・・ある!!」
ツクモさんの放つ閃光がますます強大になる。
魔法陣の輝きもさらに強力になる。
するとあたしの影から何か出てくる。っていうかこれ何!?
なんか、とっても黒々しい、禍々しい姿を露にしていた。
最初のコメントを投稿しよう!