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「…え、っと、…今日は生徒会の仕事はなかったの?」
「いや。雨強くなるからって早めに切り上げたんだ」
「そ、そうだったんだ……」
会話終了。人見知りな自分が憎い。たわいない会話すらまともに出来ないくせに話しかけてしまったことに後悔すら覚える。
朝吹くんを見て名前を呼んでしまうことがいつのまにか自分の中に癖づいていて、それが少しだけ恥ずかしかった。
雨のせいもあってか、あたりは何処となく薄暗く、少々肌寒くもあった。やみそうにない雨がざぁざぁと降っている。
話すことはもうこれ以上ないくせに、せっかく彼に会えたからもう少しだけ一緒にいたいというわがままが顔を出し、私は別れを切り出せずにいた。
バイバイ、またね、また明日。
いつも図書室で交わすみたいに、つい小1時間前にそうしたみたいに、そう言って早く帰ればいいだけなのに。
これと言ったわけもなく ちらりと朝吹くんに目を向けると、朝吹くんも同じように私を見ていて、きゅん、と胸が鳴った。
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