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両手を握られ、ぶんぶんと振られる。
彼のような───みゃーくんのようなタイプの、所謂陽キャに値する人と関わるのははじめてで、どう反応したらいいかわからなくなる。
ちらり、隣に座る朝吹くんに目を向けるけれど、私の方なんて見向きもせずに花栗会長とふたりで新たにトランプゲームを開始しようとしていた。私とみゃーくんのやりとりなんてまるで興味ないみたいだ。
ちくり、ちくり。
昨日から、私は少し変になっている。
「ねね、京くん」
「うん」
「ユキヒラさんって京くんの彼女すか?」
唐突な質問に肩が揺れた。朝吹くんがカードを切っていた手を止める。ようやく朝吹くんと目が合って、心臓を掴まれたみたいに胸のあたりがぎゅっとなった。
「いやぁ、顔もだけど反応も初々しくてかわいいから。京くんの彼女じゃないなら俺狙いたいんすよ。ほら、あれだ。────ひとめぼれ、的な?」
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