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へらりとみゃーくんが笑った。心なしか頬が赤いようにも見えて、照れているのかもしれないということは何となく察した。
恥ずかしいのは私も同じだ。
かわいいとか、初々しいとか。これまであまり向けられたことのないような言葉にわかりやすく動揺してしまう。
みゃーくんの人懐っこい性格は、会ってまだ数分だけど十分にわかった。人を寄せ付ける魅力がある。
1年生のこの時期に副会長になったという経緯も気になるところではあるが、華の生徒会に入るだけの才能や実力が備わっていることは確かなのだろう。
そんな彼にひとめぼれと言われるのも、悪い気はしない。
──とは言え、初対面にしては距離感がバグっているのも確かで、だ。
「みゃーくん…、」
「んん?」
「あの、恥ずかしいので、……手離してくれませんか」
ぎゅうっと熱く握られた手を見つめながら言う。
みゃーくんにとっては軽いスキンシップのつもりかもしれないけれど、私にとっては心臓に悪い温度なのだ。
「はなして……」ともう一度小さな声でお願いすると、「わ、ごめんねっ」と言ってみゃーくんはすぐに手を離してくれた。
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