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「うっかり、癖……的な?ごめんね、気をつける」
「癖…?」
「てか!ユキヒラさん、下の名前なんていうの?せっかくみゃーって呼んでくれたし、俺もユキヒラさんのこと名前で呼びたい」
みゃーくんはいつもこうして女の子と距離を詰めているのだろうか。確かに見た目も派手だし、フレンドリーだし、女の子との関係もたくさんありそうな感じがする。
生徒会の人たちは、私とは到底住む世界が違う。
それだけは、最初から感じ取っていた。
「───未夜」
みゃーくんの勢いについて行けずおどおどしていると、朝吹くんの澄んだ声が、生徒会室の空気に落ちた。
「未夜さぁ、僕のに手出しちゃダメでしょ」
「わ…っ!?」
グイっと肩を寄せられ、バランスを崩した私は朝吹くんの腕の中に収まった。
朝吹くんの香りが───昨日の記憶を連れてくる。
ボンッと一気に顔を赤くした私に気づいたのか、朝吹くんはふっと軽く笑みをこぼした。
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