2.煙草

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「うっかり、癖……的な?ごめんね、気をつける」 「癖…?」 「てか!ユキヒラさん、下の名前なんていうの?せっかくみゃーって呼んでくれたし、俺もユキヒラさんのこと名前で呼びたい」 みゃーくんはいつもこうして女の子と距離を詰めているのだろうか。確かに見た目も派手だし、フレンドリーだし、女の子との関係もたくさんありそうな感じがする。 生徒会の人たちは、私とは到底住む世界が違う。 それだけは、最初から感じ取っていた。 「───未夜(みや)」 みゃーくんの勢いについて行けずおどおどしていると、朝吹くんの澄んだ声が、生徒会室の空気に落ちた。 「未夜さぁ、僕の(雪平さん)に手出しちゃダメでしょ」 「わ…っ!?」 グイっと肩を寄せられ、バランスを崩した私は朝吹くんの腕の中に収まった。 朝吹くんの香りが───昨日の記憶を連れてくる。 ボンッと一気に顔を赤くした私に気づいたのか、朝吹くんはふっと軽く笑みをこぼした。
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