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「…えー?やっぱ、京くんの彼女?」
「ねえ、未夜はどう思う?」
「はぁ?なにが?てか質問に答えてよ京くん」
怪訝そうに眉を寄せるみゃーくんと、その横で何も言わずに私を睨む花栗会長。
────そして。
「っん、」
そんなふたりに見せつけるように、私の唇を奪った朝吹くん。
華の生徒会室の放課後は、まるで異次元だ。
「言葉が持つ力と、身体に覚え込ませた記憶。どっちが、より強力だと思う?ねぇ、未夜」
「…はっ。京くん、だいぶ逝ってんね?」
「そう?てか僕は思うんだけどさぁ、未夜には無理だと思うな。───麗白は、まだ何もしらない子だから」
私の髪をすくい、ちゅ…と髪にキスを落とされた。
どくどくと脈を打っている。
朝吹くんが触れたところ全部を支配されているみたいだ。唇も、肌も、髪も。朝吹くんの温度がほしい。朝吹くんしか、要らない。
紡がれた名前が、どうしようもなく特別な響きに聞こえた。
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