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「雪平さんって、どのくらい視力わるいの?」
緊張ゆえに頭の中が真っ白になり無言で歩いていると、ふと朝吹くんが声を落とした。
「えっと……裸眼だと0.2、とかかな…」
「そうなんだ。じゃあ、眼鏡ないと何にもみえない感じ?」
「う、うん…。全体的にぼやけて見えるよ」
「ふうん……」
眼鏡になったのは中学生の時だった。理由は定かではないけれど、暗闇でのスマホの操作や読書が原因なのだとは思う。
コンタクトにしたいなぁと思いながらもタイミングを掴めないまま高校生になってしまった。眼鏡、黒髪のストレートロング、図書委員…とこの3拍子が整ったら、当然のように私には「真面目そう」というレッテルが貼られることになった。
別に、それが嫌だったわけではないけれど。
眼鏡姿が浸透したあたりから、真面目な子、地味な子、つまらない子。そういう印象までセットになってしまったことは、少しだけ悲しかったりもするのだ。
───なんて、そんな過去のことを頭の片隅で考えていたときのこと。
「っえ、ちょ…っ、」
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