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***8年後 私はいつも、近くのアパートから、花屋サンライズに通っている。 今日は、確か赤バラの注文予約が入ってるんだっけ? ラッピングしとかなきゃ… それから〜… 私は小さな花屋の中を走り回る。 あれから、8年。 私はこの海の側の花屋を守り続けてきた。 だけど、暁さんは現れる気配もなかった。 もう、あの時に死んだのかもしれない。 だけど、私は、待ち続けるだろう。 ずっと… ずっと… だって、ここが約束の地だから… 夜7時。 店を閉める準備をする。 結局、赤バラの注文のお客さんは来なかった。 私はシャッターを閉め、赤バラの花束を仕方なく自宅に持って帰る。 その時。 「夜宵…」 背後から声がした。 嘘よ… 暁さんは死んでる… だけど、この声は… 私は後ろを振り返る。 「暁さん…!」 私は笑いそして、泣いた。 そして、暁さんは私を抱きしめ、長い長いキスをした。 ***end
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