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私は暁さんが鍵を開けたベンツの四駆に乗り込んだ。
車高は高く、なんだか、バスの1番前の席に乗ってるみたいだ。
何台車持ってるんだろう…?
ここに来た時は確か…リムジン…
私はチラリと暁さんを見る。
ベンツの四駆を運転しててサマになるのは、長身の9頭身と、顔のかっこよさが関係しているんだろうか?
変な分析をしてみたりする。
「何だよ?
何考えてる?」
「な、な、何も!」
かっこよくて、ベンツの四駆が似合う、なんて、口が裂けても言いたく無い。
「ね、ねぇ?
どこに行くの???」
「あぁ、表参道ヒルズにね。」
「えーと…
映画とかドラマで良く聞く、あの表参道?」
「何だ、お前、表参道行った事ねぇの?
…ダッサ…」
馬鹿にした言い方に、少しムッとする。
「表参道なんて行ったこと無くても生きていけるわよ!」
「悪かったよ。
ほら、外見ろ。」
私のストレートの黒髪をくしゃりと撫でる。
だから、そう言うのを…!
って…!
わぁ!!!
すごーい!!!
コレが表参道ヒルズ…
そこには、人で溢れる大型ショッピングモールが建っていた。
だけど…
「ねぇ…?」
「…んだよ?
まだ、文句あんのか?」
「いや、違くて…
駐車場、入れるの…?
あっちもそっちも、満車って…」
私は満車の看板を指す。
「ふん。
お前、俺を誰だと思ってんの?」
いや、誰デスカ?
暁っていう名前しか聞いて無いし…
暁さんは、駐車場の管理人に何かを見せた。
「あ、はい!
す、す、すぐに空きますんで!
しょ、しょ、少々お待ちください!!!」
管理人は慌てて一台出すと、私たちの車が案内された。
はぁ…
やっぱ、ヤクザか…
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