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私は平静を装い中庭に戻った。 ちょうどお茶会が終わる所だった。 暁さんは、私の元に来ると、「どこに行っていたんだ?」と尋ねた。 私は、「裏庭にも向日葵があるかと思って見に行った。」とだけ言った。 「裏庭は日が当たらないから、向日葵も枯れてるだろ?」 暁さんは不審そうにそう言った。 「うん、知らなかったのよ。 でも、涼しくて、日が当たらないのも悪くなかったわ。」 「そうか…」 そして、向日葵の会は、夕方頃に終わった。 美香さんの事… 聞こうかどうしようか、迷ったけれど… 勘繰られそうなので、止めておいた。 もしも、ロシアンチョコレートした事がバレたら、なんとなく怒らられそうな気がした。 ヤクザは女も気が荒い。 それだけ教訓として胸の奥に刻んだ。 2人とも疲れていたので、今日の夕食はコンビニで買う事にした。 私は精神的にかなり疲れていたし、暁さんもそう言った集まりは苦手だと言っていた。 コンビニで選んでいると、暁さんはさっさとカツカレーをレジに持って行った。 私はエビグラタンか、ハンバーググラタンで悩みに悩んでいる。 そして、エビグラタンに心が傾きかけた頃に、私は、背後の男からクロロホルムを嗅がされた。 あ…か…つき…さ… 私の最後の記憶はその言葉だった。 気がつくと、私はコンクリートの匂いのする床に転がされていた。 両手・両足をキツく縛られ、口にはガムテープが貼られている。 そこは、何かの倉庫のようで、かなりの広さだった。 おそらくヤクザが20人ほど居た。 しまった…! そう思った時にはもう遅かった。
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