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side暁 「さぁ、死んでもらおうか? これで、俺は天雷会の幹部入りだ!」 なるほど、そういう取り決めがしてあったか。 華栄崇史はしてやったりという顔で、俺に銃口を向けた。 「お前は、相変わらず頭が悪いみたいだな。 俺が、たった1人でここに来ると思うか?」 「はぁ!? 何言ってやがる! 連絡は取ってないだろ! こっちは盗聴器も仕掛けているんだよ! さぁ、さっさと死にやがれ!」 その時、倉庫の窓ガラスが割れ、華栄の銃を持つ手が撃たれた。 「ギャあぁぁぁぁぁ!!!!!」 相変わらず、うるせー奴だな。 夜宵にナイフを突きつけていた男も、銃で撃たれて死んでいる。 そして、倉庫のドアが破られ、俺の部下達が入り、新竜会との銃撃戦が始まった。 俺は夜宵を鉄筋の柱の後ろに隠して、隠し持っていた小型ナイフで、拘束を解いた。 口を塞ぐガムテープを外すと、夜宵は泣き始めた。 「よしよし、怖かったよな。 すまない。」 新竜会はあっという間に芋を引いた。 俺は夜宵を抱き上げると、神桜の元に行った。 「見事な射撃の腕だった。 助かったよ。」 俺は言う。 「全く時計のGPSから危険信号が光った時はびっくりしましたよ。」 神桜は、大袈裟に肩をすくめた。 「あぁ、作っておいて良かったな、GPS時計。 それと、華栄崇史は生け捕りにしてくれ。 色々と聞きたい事がある。」 俺。 「心得ています。 …夜宵さん大丈夫ですか?」 「…夜宵の心配は俺がする。」 「これは、失礼しました。」 「いや… 心配してもらって悪いな。 じゃ、後を頼んだ。」 「了解。」 俺は夜宵を部下の車に乗せて、俺が運転して帰った。
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