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side暁 中国マフィア… 何人もの人殺しも厭わない、ヤクザよりも怖い連中だ。 殺した遺体は徹底的に処理し、警察は遺体すらも見つける事が出来ない上、中国の圧力に負けて、うやむやにするのが現状だ。 確かに、それが本当だとすると、厄介だ… 「中国マフィアか…」 「こっちは、アメリカのマフィアでも味方に付けるか?笑」 八雲が冗談めかして言う。 「しかし、中国のマフィアが日本のヤクザと手を組むとはな。 あまり考えにくいことだ。」 俺は言う。 「まぁ、諸刃の剣という所だろうな。 上手く使えば最強の武器となり、下手すりゃ自分の体を貫くことになる。 天雷会もアホじゃないから、分かっているだろうよ。」 「なるほど。 しかし、もしも最強の武器となった場合、かなり厄介だな。 警察にも中国マフィアの圧力はあるからな。」 俺は僅かに眉間に皺をよせる。 「ま、それも含めて、オヤジにご挨拶と行こう。 まとまった金はあるか?」 八雲が尋ねる。 「あぁ、問題無い。 神桜に用意させておく。」 そして、会社を早めに切り上げて、八雲と、華栄会の会長、つまり、親分の元へ向かった。 車の中で。 「そう言えば… 向日葵の会で、美香と夜宵ちゃんが激突してらしいな。」 「は? 何の事だ?」 「知らないのか? 2人でロシアンチョコレートをやってたってハナシ。」 「ロシアンチョコレート… …どっちが勝ったんだ?」 「夜宵ちゃんだよ。 美香がカタギにしては根性があると、珍しく褒めてたな。 何も聞いて無いんだな。」 「夜宵のやつ…」 俺は、帰ったら夜宵に説教すると決めた。 だから言わなかったのか?
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