1

4/4
1509人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
車の中で私は、どうしよう?と焦りまくっていた。 まさか、ヤクザに連れて行かれるなんて… ロクな結果が思いつかない。 黒髪長髪の男が後部座席に入ってきて、銀髪の男が運転席に乗る。 車が動き始めると、私は黒髪長髪の男に大きな手で目を塞がれ、引き寄せられた。 彼の腕の中は、甘い甘い、バニラよりも甘い香りがした。 「着くまで目を開けるな。 開けたら、そこで人生も終わると思え。」 男は、引き寄せた私の耳元にそう囁いた。 「どうするんですか? その女? かなりの上玉のようですし、変態金持ちに高く売りつけては?」 運転席の方からそんな声がする。 「しばらくは俺が遊ぶ。」 「またですか?(呆れ) じゃあ、飽きたら風俗にでも捨てますか。」 「そうだな。」 え、え、えぇぇぇぇぇ!? 私、一体どーなるの!?!?!? 高級車はゆっくりと軽やかに道路を走っていく。 私は黒髪長髪の男に目隠しをされ、甘い香りに多少酔いながら、色んな事を考えていた。 車が緩やかに停まり、目隠しを外され、降りろと言われた。 私はヨロけながら、降りる。 そこは、おそらくマンションの地下駐車場だった。 私は、拳銃を背中に突きつけられながら、エレベーターを上がって行った。 そして、エレベーターの数字はぐんぐん上がって行き、65階の最上階に着いた。 え、最上…階…? もしかして…ペントハウス…とか言う…やつ??? 私、どうなっちゃうの!? そして、私はペントハウスに入り、その全貌にびっくりした。 高い高い天井… 真っ白の壁… ドームのような広い窓ガラスはどうやって掃除するのだろうか…? そんな事を考えていると、黒髪長髪の男がソファを指差し、私に「座れ」と短く言った。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!