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暁さんは、まだ帰って来ない。 せっかく生姜唐揚げ揚げたのに! 冷めちゃうじゃんかー! 私は1人で食べる気にもなれず、ひたすら暁さんを待っていた。 1時間後。 やっと、暁さんが帰ってきた。 唐揚げはレンジで温め直すしかない。 私は玄関に暁さんを迎えに行く。 「ただいま。」 そう言って、暁さんは、私の黒髪をクシャクシャに撫でた。 「も、もう! ぐちゃぐちゃになるでしょ!」 「だからやってんの。」 私たちは他愛も無い事で笑いあった。 暁さんは、先にシャワーに入りたいと言ったので、私は夕飯を温め直して、テーブルに並べた。 暁さんがシャワーから上がり、私たちはオクラのサラダと生姜唐揚げ、お吸い物を食べた。 「悪かったな、今日1人にして。」 暁さんが言う。 「ううん。 だけど、ねぇ?」 「んあ?」 「何してたの? 今日???」 「昨日の倉庫事件の首謀者に拷問して、全部吐かせた。 まぁ、アイツも使い捨てだったみたいだけどな。 華栄崇史ってやつだよ。」 暁さんは説明する。 「華栄崇史? えーと、華栄会と関係ある人なの???」 「あぁ、勘がいいな。 そうだ。 今の華栄会のトップの会長の息子だよ。 馬鹿息子だがな。」 「何故、そんな人が…?」 「…過去に華栄会で大きな失敗をして、指詰められたのさ。 それから、組を抜けた。 その後は知らなかったが、天雷会の手下になってたみたいだな。」 暁さんは言う。 大きな失敗… 指を詰める… やっぱりヤクザって、怖い…? 「怖いよ。」 私の心を読み取ったように暁さんが言った。 だけど、私はどうしても、暁さんが怖いと思えなかった。 それも、彼は気付いてると思う。
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