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side暁 俺たちは簡単な自己紹介をし合った後、オヤジが書類にサインして、血判を押した。 李さんも、同様に書類にサインして、血判する。 こうして、秘密裏に華栄会と四合会は盃を交わした。 「李さんはな、しばらく日本に滞在する事になっている。 暁、お前が色々とサポートしてやってくれ。」 オヤジは軽く言った。 「は? 俺が、ですか?」 「この中で中国語が堪能なのは、お前さんだけだろ。 我々華栄会にとって大切な客人だ。 しっかり頼んだぞ。」 そして、李さんとオヤジは握手を交わして、その場はお開きになった。 台湾マフィア… 中国マフィアに劣らず、恐ろしい手口を使うと聞いている。 めんどうな事になったぞ。 そんな事を思いながら、帝国ホテルを後にした。 マンションに帰り着くと、夜宵と神桜がWiiスポーツのテニスで遊んでいた。 「ちょっと神桜さん! 苦手なコースばっかり攻めないでよ!」 「何を甘っちょろい事言ってるんです! これは、真剣勝負なんですよ!」 2人は、ラリーを続けているようだ。 なんだ、仲良しになったじゃねーか… 多少複雑な気持ちでタバコに火をつけた。 「勝ったぁぁぁあ!!!」 「負けた… 私がペチャパイに…」 「何ですって…?(怒)」 夜宵が神桜の耳を引っ張る。 「イダダダダダダ… わかりましたよ!」 「やった! 約束だもんね!」 「おい、どういう約束をしてるんだ…?」 俺はつい口を出す。 「負けた方が夕飯作るのよ。」 夜宵が言う。 「くっっっだらねぇぇな…」 思わず本音が出た。 台湾マフィアと渡り合った後にこれじゃ、緊張感も何もあったもんじゃない。
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