2

3/4

1506人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
side暁 夜宵は俺の腕の中で、まるで子猫の様に丸くなって、スヤスヤと眠っていた。 起こして、ヤッてしまおうか?とも思ったが、なんとなくその寝顔を見ていると、その気が萎えた。 似ている… 俺は本能的にそう感じていた。 傷ついた瞳。 希望を探す瞳の奥。 俺を睨む気概。 真っ黒な髪に茶色のくりりとした瞳は、フランス人形のようだが、その奥には傷ついた過去と、未来への希望が見え隠れしていた。 それでなのか…? 俺が手を出せないのは…? 同族嫌悪…? いや、多分、逆だ。 似ているから、惹かれる… 惹かれる? 馬鹿な! 俺が女に惹かれる筈は無い。 もう、二度と女に深く関わるのはゴメンだ。 12歳の時そう決めたじゃないか? コイツは… 時期が来たら… 家に帰してやるか…? ふん! 自分の甘さに反吐が出そうだ! いつもの調子はどうした? 女など、シャブ漬けにして売り飛ばして来たじゃないか? その時、夜宵は俺の首に手を回し、擦り寄ってきた。 少し、冷房が効き過ぎてるのか? 俺はパネルを操作して、温度を上げると、彼女の唇に僅かにキスをし、そして眠った。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1506人が本棚に入れています
本棚に追加