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朝起きると、私の側に暁さんは居なかった。 だけど、ベッドはまだ暖かい… 私は目を擦りながら、リビングに降りた。 「今日の朝ごはんは、オムライスだぜ。」 「オムライス…」 本当の父がまだ健在だった頃、母も優しく、日曜日の朝は必ずオムライスだった。 私はその事を思い出し、僅かに涙腺が緩んだ。 何とか喉の熱を飲み込み、「顔洗ってくる」と言って洗面所に向かった。 リビングに戻ると、私のオムライスとスプーンは、テーブルの上に置かれていた。 「??? あの…?」 「何? 寝起きのチュー?」 「違くて。 テーブルで食べて良いの?」 「…あぁ、そんな事かよ。 お前はペットから、オモチャに格上げされたんだよ。 テーブルで食べろ。」 ペットからオモチャ… それって、格上げ…??? 「何だ? 文句あるのか?」 「食べます!」 暁さんの怒りに触れない内に食べ始めた。 オムライスはふわふわで、ケチャップの甘みと酸味が、やっぱり昔を思い出させた。 私の割と大きな瞳から、涙がぽたりと落ちた。 どうして、こうなってしまったんだろう…? 父が死んで、母は男遊びをするようになり、私はイジメに遭いだし、さらに性的虐待を受けた。 我慢していた物が一気に破裂したように溢れ出た。 お父さんが死んだから…? お母さん、私が死ねば良かったの…? 私の割と大きな瞳からは、涙が溢れた。 だけど、暁さんは何も言わないで、私のコップに水を注いだ。 食べ終わった後(私は半分残した)、食器を片付けながら、私は暁さんに「ゴメンなさい…」と小さく言った。 「別に…」 暁さんは、ぶっきらぼうにそう言った。
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