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もし女の子からもらったと言われたら、少し嫉妬はするけれどそれを受け入れようと思っていた。しかし颯太はどこか気まずそうにしている。
「優花さん、覚えてない?」
「え……?」
チラチラと優花に視線を合わせては外しを繰り返しながら颯太がぽつりと呟いた。
「あれ、僕が自分で買ったんだよ。優花さんのお店で。その時から優花さんのこと、ずっと気になってたんだけど……」
「えっ、でもプレゼント用……」
「だって、そうでもしないとあそこで何か買うなんて出来ないし、少しでも優花さんと同じ匂いを纏いたかったというか」
もごもごと歯切れ悪そうに話す颯太はどこか叱られた子供のようにも見えた。優花は颯太が買いに来た事があったかどうかと記憶を巡らせた。
「あ、もしかして、半年前ぐらいに買いにきてくれた……?」
「……うん」
男性がプレゼント用に買いに来ることは多々ある。その時、優花のオススメのフレグランスはどれかと聞かれたことがあった。その時に「私もこのフレグランス使ってるんです」と接客した男性のことを思い出したのだ。
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