第1話.ブログを書きたい

2/4
前へ
/25ページ
次へ
   それ以降、母からの電話は姉が吹き込んだと思われる、私が強迫性障害(きょうはくせいしょうがい)の頃を貶す内容ばかりになった。    それが原因に間違いない。  線維筋痛症と診断されてから、症状は悪化していく一方だった。    私は徐々にベッドに横になる頻度が増えた。  そして、スマホを手に取る機会も増えていった。  線維筋痛症と診断されてから1年ほど経った秋も深まる頃、インターネットに興味なかった私が、あるサイトにハマった。    ―――ブログを、書いてみたい。  そんな強い衝動にかられたあの日。  芸能人のブログが多数掲載されているブログサイト、ア○ーバブログ、略してア○ブロ。  ―――好きなブロガーがいた。  初めは芸能人目当てで閲覧していたのに、いつの間にかある一般ブロガーのブログに 夢中になっている自分がいた。  惹かれた理由は、メンタルヘルスジャンルのトップで目立っていたこと。  それから―――  自分と同じくらい過酷な境遇の中、一生懸命生きているように、見えたから。  そんなブログに釘付けになっていた。  ―――何歳くらいだろう。  私より、一回り近くも年下の女の子だった。  私も、書いてみたい。……書きたい。 「私に書けるだろうか?」そんな疑問より気持ちが先にサイトに登録していた。  初めてネットに足を踏み入れた日。  2017年12月4日。  未知の世界で、多くの人の心を揺さぶらせるブログを綴る日々が始まった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加