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母は慎重だ。
何回かデートに行った時、私も近々会うことになるのか、聞いてみたけど、「単なるデートだから」と、紹介しようとしない。
紹介できないのは、不倫とかかも知れないと思うけど、本当にそうだったら困るから、聞いてない。
それに比べて、父は過去に2度も彼女を紹介してきた。
次第に若くなる、その相手に、私が会ってどうしろと言うのか。
「再婚することにしたら、紹介する位でいいから」
もう父にはそう言ってある。
「部活、どう、最近?」
自分のデートの話は深堀されたくないのか、母は買ってきたお惣菜のメンチカツにソースをかけながら、さっさと話題を私に移した。
「楽しいよ。文化祭の練習してる」
「もう?7月末でしょ?」
「もうって、あと二か月ないよ。」
「あぁ、そうか」
いい加減な返事の母と笑って、テレビをつけた。
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