前夜祭

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「柚。変なのに引っ掛かんの、止めなさいよ」 「なにそれ?」 「若いんだし、いっぱい恋して欲しいけど、柚が一番で、他なんか見えないっていう人にしなさい」 母から娘へのアドバイスらしい。 「はいはい」 本当は、気が多い誰かに好かれる話じゃなくて、自分の方が気が多いんじゃないかっていう事態なんだけど。 まぁ、龍之介は、その辺、怪しいけど。 「あとね、文化祭、盛り上がんのは良いけど、避妊はしなさい。それができないような男、価値ないから」 うっわ。 「おかあーさん!?」 「現実!」 さすが元看護師。 ぴしゃっと言い放った。 そういう次元じゃないんです。 片想い。 プラトニック。 そこで悩んでるんですけど。 「あぁ、なんか次元が違うから、いい。お母さんが不倫じゃないなら、もう良いわ」 話を元に戻したら、あら、そう、そういう話だっけ? と首をひねりながら夕食作りを再開してくれた。
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