文化祭

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「あ、柚ちゃん、来てた。お、みーたんも来たし、私、1やるから合わせる?」 細川先輩に声をかけられて、はっと顔を上げた。 「ハイ。お願いします」 「あ、はい。お願いします〜!」と、みーたんが慌てて、バイオリンを出している。 「もうみんなで部活一緒にやるの、最後だと思うと、淋しいよねぇ」 自分のバイオリンを出しながら、細川先輩が言った。 「そうですね。淋しくなります」 軽く音を調弦すると、「ここ、いくよ」と譜面台を指してから、弓を動かし始める。 綺麗な細川先輩の音に、外さないように、合わせていく。 「よし! ここは大体オッケー、この辺、本番、強弱もうちょっと入れてもいいけどね」 「はい」 「がんばります!」
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