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最終リハ前に、一旦バイオリンを置いて、廊下に出た。
携帯を開いて、メッセージアプリを開く。
『1時半から体育館でオケ部のコンサート』
業務連絡のようなメッセージを送りつけた。
来るかな。
まずは、コンサートを頑張ることに集中しようと、深呼吸して、音楽室に戻った。
金管と弦楽器、打楽器、全て混ざり合う全体練習の迫力は凄い。
三年生最後のコンサートだから、みんな緊張感と同時に高揚感に包まれている。
「じゃ、いいかな? えっと、今日の発表で三年生は引退になります。気合い入れて、最後の練習して、1時半から本番です。じゃ、最後に一度ずつ合わせていきましょう」
顧問の先生が指揮台に立つ。
去年は、三年生に指揮者希望の先輩がいたけれど、今年はみんな楽器志望で、先生が担当している。
「はい、じゃあ、行きます!」
トントンっと指揮棒を鳴らす。
音楽室に響く、練習の音。
これで、先輩達とは最後の練習。
ひどく感傷的になりそうになるのを抑えて、とにかくきれいに音を出すのに集中した。
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