片想いやら

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 ぼけーっとそんなことを考えながら、鞄を開いて、宿題を出した。 英語読解を開いて、簡単に済ませる。 数学は多少、苦手だけど、復習、予習は欠かさないようにして、得意の国語と英語で何とかクラス一、二のレベルを保っている。 そして、今日の現国。 宿題に、来週までの小論文の提出がある。 これはスピーチコンテスト用のもので、今年のテーマは「生きる」だった。 毎年、掲げられる文化祭テーマに合わせて、スピーチコンテストが行われる。図書委員が企画主なのだけど、現国の課題でもあり、これに選ばれて参加すると現国の一学期のパスが確定する。 毎年、事前に書かせた小論文の中から、先生が勝手に選んだ一名がクラス代表として予選を経て、文化祭当日のコンテストに参加する。 それ用の作文。 「生きる」かぁ。 ストレート過ぎて、むずい。 自分の人生で引っかかっている事を書くのがいいんだろうけど、そういうのをさらけ出す勇気はない。 命とか。 生き方。 自分のアイデンティティ? 社会の不公平さや、貧困? どの方向からいくのがいいのか、悩む。 私は図書委員だから、企画の運営を手伝う側だけども、小論文は現国の宿題として評価されるから、一応、書かないといけない。 小論文として、程良くまとめることができるのは、どれだ?
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